山下達郎アコースティックライブ@新宿LOFTに行ってきた

タイトル通りの記事を書きます。LOFT40周年の記念として行われた山下達郎さんのアコースティック・ライブに行って参りました。達郎さんのMCによれば6万人ほどの応募があったとのことで、倍率100倍!!(昔のようにLOFTで当日券を売れば暴動が起きてしまうので、イープラスを使ったがそれも良し悪しと仰られていました)。ということでなんというか 今年中の運全部使ってしまった感じですが、しかし悔い無し。本当に凄まじいライブを見せていただきました。

こんな近距離で達郎さんを見ることが出来る……!という超ミーハー的な喜びがありまくりだったのははっきり言って否めないのですが、それを置いても山下達郎難波弘之伊藤広規の"城北トリオ"での演奏がとにかく圧倒的でした。

アコースティック・ライブと聞いて浅学非才な自分はアコースティックゆえにメロディーと歌で聞かせてくれるライブなのかと勝手に想像していたのですがしかし、実際ベースはエレキだし音の厚みは通常編成でのライブとも遜色ないほどの印象すら受けました。何より驚いたのはグルーヴィーで踊れる、つまりは(本人も仰られていましたが)本当のロックンロールであること。これです。ドラムなしでこれほどビートを感じさせるのか、と。JBの映画でJBがバンドメンバー全員に「お前が演奏してるのはなんだ?」と「ドラムです」と答えるまで同じことを聞き続けるシーンがありましたが、まさにこんな感じ。3人がそれぞれギターでありドラム、ベースでありドラム、キーボードでありドラムでした。よく「ボーカルを際立たせる演奏が~」みたいな常套句がありますけど、そんな生易しいものではなく、それぞれが主張し合い、キメまくるのだが不思議とこれしかないというバランスで音が鳴り響いて、その中から達郎さんのボーカルが立ち迫ってくるような……そんな凄い演奏でした。自分の拙い語彙と文章力では1/100ほども伝わらないことを確認しながらライブのレポをさせていただきます。

開演してすぐにスクリーンに映し出されたのはSugar Babe時代の『今日はなんだか』のライブ映像!Dopeすぎる若かりし頃の達郎さんのルックスにビビりながらしかし貴重な映像が見れて眼福。次に近年のライブでの『恋のブギ・ウギ・トレイン』映像が流れ、達郎さんのギターソロにぶっ飛び、既にめちゃくちゃ興奮してました。

そして現れる3人。『ターナーの汽罐車』からスタート。とんでもない圧を感じました。「アコースティック」という字面から想像するフォーキーでアーティスティックなイメージを最初の出音でぶち破るヘヴィでグルーヴィー、ガッチリと噛み合った演奏も最高。ドラム無しでもあの印象的なベースラインが超タイトに牽引してて最高な『Paper Doll』を経て『夏への扉』。ここでは途中のパートを難波弘之氏が歌うという嬉しい驚きもありつつ最高。鈴木茂砂の女』カバー等レアな演奏が見れたのも嬉しい。

通常ライブ同様達郎さん1人でのシークエンスもあり、なんとここではカラオケを披露。新曲『CHEER UP! THE SUMMER』も嬉しかったですが(シャレですよ、と前置きしながら)『硝子の少年』をフリ付きで歌う達郎さんが見れたのはめちゃレアなのではないでしょうか。アカペラコーナーも当然あったのですが、ここが一番衝撃的で、ライブハウスならではの趣向として(シャレですよ、と前置きしながら)マイク無し・ラジカセからコーラスを流してのアカペラが披露されました。生声……。『SO MUCH IN LOVE』にも感動しましたが、『CHAPEL OF DREAMS』でのファルセットといったらもう……。

この曲が誕生して44年経っても一向にこの曲の問いかけは有効であることについてMCからの、『What's Going on』カバー。先日のツアーでも『DANCER』が披露されてましたが、ポップ・ミュージックの訴えかける射程というか抽象的であるからこその力強さを改めて実感しました。『蒼氓』や『さよなら夏の日』といった"聞かせる曲"とアコースティック編成の親和性は触れるまでもなく。『BOMBER』の通常編成とくらべても衰えないファンキーなグルーヴに卒倒しつつ『RIDE ON TIME』で本編終了。いつ何度聞いてもこのイントロの"始まる"感じは凄いと思うのですが今回は直に歌声を浴びせられるような形だったのでより強く感じました。

アンコールでの『DOWN TOWN』『クリスマス・イブ』『LOVE SPACE』の三連発はもはや嬉しいを通り越してまだやるのか!!と思わされるほど、とんでもない濃厚な時間でした。カラオケやアカペラパートといい、初心者からおなじみさんまで全方位対応のセットリストといい、山下達郎氏が素晴らしい職人音楽家でありながら同時にサービス精神の塊であることを再認識させていただきました。サービス精神といえばMCも相変わらず軽快で、落語のような飄々とした風通しのいい喋りは音楽と同様、聞いててとても気持ちよかったです。カラオケは自分では行かないのだが連れていかれた話には思わず爆笑してしまった……。

そんなこんなでとにかく超絶濃厚な3時間超でした。今までの人生で一番衝撃的なライブであったと言ってもまったく過言ではない経験をさせていただきました。来年の3月からまた全国ツアー(とアルバムももしかしたらあるかも?)とのことなので万難を排して向かわさせていただきたいと思います。セットリストとか素人のべらべらした感想をインターネットに放出してしまって火炎放射器で焼き殺されないかが目下の心配です。

 

セットリスト(記憶違い多分あります)

今日はなんだか(VTR)

恋のブギ・ウギ・トレイン(VTR)

ターナーの汽罐車
Paper Doll
夏への扉
過ぎ去りし日々 “60's Dream”
砂の女鈴木茂 cover.)
サンフランシスコ(武蔵野タンポポ団 cover.)
DRIP DROP
モーニング・シャイン

(カラオケ)
CHEER UP! THE SUMMER
硝子の少年

(アカペラ)
CHAPEL OF DREAMS
SO MUCH IN LOVE

What's Going on(Marvin Gaye cover.)
蒼氓
SINCE I FELL FOR YOU
さよなら夏の日
BOMBER
RIDE ON TIME

(アンコール)
DOWN TOWN
クリスマス・イブ
LOVE SPACE

YOUR EYES