2/26

ウォーレン・バックランド『フィルムスタディーズ入門』読了。技法の一つも知らずに映画を観て偉そうなことをのたまっていた自分にとっては大いに勉強になった。まあ素人目にも初歩中の初歩中の初歩って感じは否めないが、次のステップに進む意欲をかき立ててくれる良書だった。それにしてもせっかく暇になったのに案外暇になっていなくて、映画も本もあんまり観れていなかったりする。勿体ない。

フジロック

行くとしたら……という留保が付きまとう第一弾発表。というか一度も行ってないので今年こそは行ってみたい。Kanye Westは何を置いても観ておきたいし、Jungleも今のタイミングでこそ……というアクトだろうし気になる。それ以外はまあフジロックですねって印象だけれど。

2/25

組閣

組閣だってさ。ハハ……この響きが絶望的に恥ずかしくアホらしい。こんなことは真面目に考えるに値しないというのをまず名前をもって明らかにしてくれている。

シニカルに46も48も所詮秋元康の管理下、まさに同じ穴の狢でそう変わるもんでも無いだろ~と思っているのだけれど、その反面で『君の名は希望』までの意図的に48色(というか秋元康色)を排していた時期が猛烈に好きだった自分は今回の発表について正直なところ困惑をしてしまう。とはいえ秋元康「的な」徴候は『ガールズルール』から既にあったわけで、今になって初期みたいな曲を出されても以前のようにノレないんだろうなあということもわかっている。というかここまで音楽が、雰囲気(雰囲気をバカにしてはいけないということはR&Bを聞けばわかる)が、メンバーたちがどうということでなく運営の都合によりいとも容易く変わりうるというのを真正面からぶつけられるとそれだけで気持ちが萎えてしまったのかもしれない。しかし、それでも僕は独自性というものをハプニングとセンセーションで演出しようとするのでなく、音楽と雰囲気によって確立していこうという初期のスタイルに対する憧憬が未だに捨てきれないのである……と考えたあたりで持病の「アイドルなんて下らないものはもう全部どうでもいい」という視点(思考放棄とも言う)が出てきてしまって今に至る。金の使い道というものをもっと考えなければいけない。皆さんもこんな下らないロリコン文化に対する思い入れなんて今すぐ捨てた方がいいですよ。アホらし!

 

2/24

生駒ちゃんなあ……玲奈ちゃんなあ……。

新しき世界

シネマート新宿で鑑賞。刑事がヤクザ組織に潜入しているというプロットに『インファナル・アフェア』や『イースタン・プロミス』を連想しつつも、むしろ『ゴッドファーザー』のようなアウトローたちの血の繋がりだけが生むクールで重厚な格調高さと韓国映画らしいパワフルで野蛮な登場人物たちのエネルギーが混在した魅力的な作品だった。

まずオープニングシーンでのセメントを口から流し込むという殺し方が最高なんだけど、それを置いても恐ろしいのは切り返しとクローズアップの多用による顔、顔、顔……。どいつもこいつも年輪が刻み込まれた悪党らしい汚い顔付きが似合ってること。刑事と刑事の上司、潜入先のヤクザという3つの視点が錯綜することによって作り上げられた重厚なサスペンスの巧妙さもこいつらの顔によって説得力が断然増してくる、怖い。

ただ恐ろしいことは恐ろしいのだけれど、冷酷なヤクザの論理というよくわからないパワーゲームによって暴力が自然と連鎖していく過程そのものが恐ろしい『アウトレイジ』よりも、暴力と情がウェットにならない程度に絡みあう辺り(そして爆発した時の肉弾戦)が強調されている今作を見ていると自然と日本における70年代ヤクザ映画を思い出してしまうわけで、好きにならずにいられないどこかチャーミングな魅力がある。主人公に重大な決意を生じせしめるシーンや、最後の最後とか完全にホモで最高。

それにしても『悪いやつら』といい、韓国のヤクザ世界では殴り込みが基本的に金属バットというのはお約束なんだろうか……。『ドラッグ・ウォー 毒戦』を見た時にラストとの対比から銃撃戦もコミュニケーションなんだなと思ったけど、ナイフと鈍器によるそれは更に濃厚なコミュニケーションだ。

ユニオン備忘録

・Big Youth / Natty Universal Dread

これは最高。70年代ソウルがアメリカ南部からジャマイカへ南下することで、ソウルフルでメロディアスなテーマを変奏しゲットーからバビロンを告発する者、すなわちレゲエDJが現れた。彼らが作り出した技法やメッセージが今度は逆に北上することによって後にブロンクスにおいて花開くヒップホップ・カルチャーに影響を与えたというのは歴史が知るところだが、これは多くのレゲエDJの中でも最もおおらかでそのスタイルが尊敬されたDJの一人であろうBig Youthの73年から79年に発表された音源をまとめた3枚組である。昔から聞きたかった。こうしてまとめて聞くとギャングスタ、ひょうきん者、聖者がごちゃ混ぜになっているかのような彼の表現の多彩さに驚かされる。

2/23

色々な人たちと久しぶりに会ったり、いつものように会ったり、初めて会ったり。全部楽しいです。ライブ行きたかったけど。

アプガ

リリースイベント期間中にサンシャインシティ噴水広場とマルイシティ渋谷でイベントを2回。楽しい、というか久しぶりに見たなあという感想。リミックス曲を振り付けでやってしまう柔軟さがいい。

プリンシパル3

やるんですね、良かった。僕の中で『君の名は希望』と『16人のプリンシパル2』というイベントは2つセットで、とても美しい思い出だ。『おいでシャンプー』から本格的に興味を持ち始めた自分にとって『君の名は希望』は、『ぐるぐるカーテン』から続いたある路線――自分なりにまとめれば都市に生きる少女たちの洗練と空想、人工的なナチュラリズムの美学をフレンチ・ポップから取り出してJ-POPの定式にはめ込むというスタイル――の集大成のような印象だった。

そして、それ以降の楽曲(というか『ガールズルール』と『バレッタ』)はあまり面白くないと思っている。楽曲だけじゃなくセンターにまつわるどうのこうのとか本当どうでもいいことだけで騒いでる感覚にも馴染めなくなってしまった。不思議なもので楽曲の提示するビジョンが見えなければ、ただ歌わせられているだけで何も変わってないはずのアイドルたち自身が色あせて見えてしまう。何も変えなければよかったと思わないでもない。自分でも自分の中にこうしたアイドルに対するピュアリストとしての側面があることに驚くが、それもこれも『16人のプリンシパル2』を見届けてしまったことによって、アイドルを演じ続ける彼女らに猛烈な敬意と単純な面白さを見出してしまったことにあるのであって(その素晴らしさを伝えることは僕には出来ない……)あの熱狂を僕に再び取り戻させてくれることを望む一方、これもイマイチに感じてしまったらそろそろ潮時だな、ということなのでしょう(しかし、潮時だからということを認識しても握手券を買うことをやめられるわけではない……)。ああいつものようにまとまりのない文章になってしまった。。

2/19

ラング『暗黒街の弾痕』を観る。光と影の美しさよ。ラング面白いなーと思いつつ未だドイツ時代の作品を見たことがないことを大いに反省しよう。

タワレコ

・The Internet / Feel Good

アップアップガールズ(仮) / セカンドアルバム(仮)

しかし4,200円払って一枚まるごと全部既出曲というのはなかなか……。ほとんどCDで持ってるし。ただ、こうしてまとめて聞いてみるとシングル・カットとして曲をバラバラに聞く以上に2013年の彼女らのドキュメンタリーを観るような感覚がある。最高な瞬間(『チョッパー☆チョッパー』、『ストレラ』)もあればどうしようもない瞬間(『アップアップタイフーン』『銀河上々物語』)もある。……少しばかりどうしようもない瞬間が多い気がするが、そのこと自体が2013年に戦いのモチーフを押し出していた彼女らの苦闘を表しているとも読み取れる。そしてここに記録された全てが自分の思い出と分かちがたく結び付いているということにアイドルの面白さを見出してしまわずにいられない。そう考えればまあ特に問題なしということで。

The Internetのは配信だからといってスルーしてたのが申し訳なくなるような素晴らしさ。

2/18

タワレコへCDを買いに行こうとしたら入ってるビルが丸ごと休館、映画の時間を間違えてイベントにも行けず。運が悪い時は運が悪い。仕方なくTSUTAYAで『コック・ファイター』(見てなかった)と『暗黒街の弾痕』を借りて帰る。

ドラッグ・ウォー / 毒戦

シネマカリテ新宿で鑑賞したのがこれ。オープニング、ゲロを吐きながら車を爆走させるルイス・クーの姿にワシは在りし日の東映アクションスターたちの幻影を見た(この文章ももちろんシャブを吸いながら書いています)。「ろうあの銃使い」とか麻薬を取り仕切る黒幕「香港の七人衆」というケレン味しか無いようなキャラクターたちを、小道具を使ったサスペンスやユーモアの入れ方などで贅沢に一つの軸へ埋没させていく。そうした職人監督としての基礎体力の高さも去ることながら、ヤクザと香港ノワールとペキンパーが一緒になって襲い掛かってくるかのようなラストの銃撃戦が最高でした。無常感。ジョニー・トーって言ったらこれですよ。いやあ面白かった。

12インチ

・Vereker / Slain

・Eric Copeland / Larry Gus (Anthony Naples Remix)

・Gabriel Garzon-Montano / Bishoune: Alma Del Huila

・Dego & Kaidi / S.T.

届いてた。

2/17

髪を切りに行く。

レンタル備忘録

Bruce Springsteen / Born in the U.S.A.

Steely Dan / Can't Buy a Thrill

Todd Rundgren / Something/Anything

アメリカン・ハッスル』で使われてて聞きたくなったやつとか。オープニングの"Dirty Work"がこの映画を象徴している気がする(なぜかサントラには収録されてない。)。