近況

正月以来書いてなかったが、最近の感じを適当に。

オタク

 5月現在ではオタクとしてのモチベーションはゼロに近いが、春先はめちゃくちゃ楽しかった。

 まず、3月の歌唱力ライブが非常に良かった。わたしの推しメンであるところの小田えりなさんと注目メンバーであるところの横山結衣さんが出ているということが参加したきっかけだったが全体的に驚きと音楽の楽しさがあって率直な楽しさにあふれていたと思う。自分がアイドルのライブでその感情を得られるというのは驚きだが、そうだった。これはそもそも歌唱力に着目したコンサートだけあって、2つ特徴があり、それが新鮮かつ逆説的にアイドルとしての溌剌な魅力を強調していたように思えたからだ。特徴とは「生バンドであること」と「カバー曲メインのセットリストであること」で、生バンドの有機的で肉感的な響きは彼女たちの歌と相まって真に迫った迫力をもたらしていたし、カバーされたJ-POPの曲は驚きこそないが時にアイドルのクリシェを逸脱していて興奮させられた。何度も書いたり言ったりしていることだけれど、自分はアイドルがアイドル的な振る舞いをしている中にどうしても現れる人間らしさみたいなところに惹かれてオタクをやっているので今回のライブのようなフィジカル重視のものは好意的に反応してしまいます。あとはAKBグループ末期最後の希望、陸抗こと矢作萌夏さんは本当にすごかった。

 そして河口湖で行われたチーム8の5周年コンサートも非常に良かった。特に2日目日曜日の夜公演は今まで見てきた中でのベストライブの1つだった。10年くらい色々なライブに行き続けているとライブ自体がどうこうというの以前にどういうコンディションでどういう感じで見るのかが重要になってくるのだが、それがかっちりとハマっていたのもあるのかもしれない。土曜は河口湖のコテージに泊まってオタクとサウナに入ったりだらだらと遊んだりしながら過ごし、当日は富士急でミニライブを見たり軽い接近イベントをこなしたりして徐々に上げていくのだからこれほどモチベーションが上がることはなくて、更にライブ自体もその期待に答えてくれるものだった。割と狭めの会場でそこそこ良い席だったこともあるが、オタクとアイドル双方の熱量も高く、開始5曲くらいのエイト曲パートで涙が出そうになった。白眉だったのはミュージカルパートで、ゴリゴリに会場全体を使う演出も結構良いんだけど、高校3年間卒業最後の日というシチュエーションと彼女たちの置かれている状況が奇妙にオーバーラップしながら48のアガる曲を連打していくのがたまらなかった。こういうのが好きというのは本当に自分はオタクだなと思うのだが、常にハードコアなサブカルみたいな態度ではなく、きっちりとオタク的欲望を持っているところが自分っぽいとも思います。全体通して本当に最高だった。

 また、その翌週に福島Jヴィレッジで行われたミニライブも最高だった。これは30分のミニライブだったのでまあ普通かなと思いきや、パフォーマンス自体なんか気合入った感じだったしめちゃくちゃ近かったし最前だったし快晴で良い写真撮れまくるしでこういう外イベの最高峰って感じだった。暇な時間はウイイレとかやって過ごせたのも良かったし、ホテルで食べる飯も良かったしオタクと音楽とか聞いてあがれたのも楽しかった。

 それ以降、例えばGWなんかは基本的に握手だったんですが握手はイベントというより呼吸に近いので特に言及することはないです。好きなグループのメンバーは多くがやめてしまうし(では終わりなのかと思いきや、そこで残るやつらがまだ終わらせないとアツくなってるのにはめちゃくちゃアツくなったりもしてるんですが)NGTは相変わらず最低だしでどんどんテンションが下がって今に至る。

音楽

 なぜか90年代インディー名盤(Guided by VoicesとかModest Mouseとかあの辺です)を聞いたり、南ロンドン(Ezra CollectiveとかThe Comet is Comingとかあの辺です)の辺を聞いたり、あとはK-POPや洋邦問わずのヒップホップを聞いています。ライブにはあまり行けてなくてマズいなと思ったので最近フェス的なところに連続で行ったりしました。新興フェスFuji & Sunと優良企業Cinra主催のCrossing Carnivalです。

 Fuji & Sunは一日だけ、やけのはら(DJ)→七尾旅人大友良英スペシャルビッグバンド→cero →Hermeto Pascoal e Grupoって感じで見ました。七尾旅人は本当に久しぶりに見たけど歌心というか、弾き語りであるのに実験性もあって、しかしながら最後はポップに着地する感じがとても感動的でした。やけのはらとの『Rollin'Rollin'』とかそれこそ10年振りくらいに生で聞いた気がする(懐メロおじさん)。大友良英はギターが暴力的で鋭くてスリリング。あまちゃんの曲をやったと思ったらエリック・ドルフィーのカバーなんかもあり、ポップと前衛が同居してる……というより怒ってるのにSmile Likeナオトタケナカみたいな怖さが面白かったです。ceroは相変わらずいつ見ても最高。良すぎる。大トリのパスコアルはやはり期待以上というか、ブラジル音楽/ジャズ的で音楽的にめちゃくちゃ豊かに進行していく一方で、本人は女性とステージで踊ったり酒を飲んで奇抜に振る舞ったりと非音楽的佇まいをいくらやってもそれが音楽としてアリになっていく感じがユーモラス。しかし音を差し込んでいくとグッと艶やかな音になったりと完全に音楽に愛されている感じだった。いいフェスでした。良かれ悪かれではあるだろうけど、人も少なかったし。

 Crossing CarnivalはDos Monos→Ogre You Asshole→田我流→C.O.S.A→蓮沼執太フィルって感じで見ました。オウガが今のモードだなって感じでますます魅力的に感じたり、田我流がラッパーとして理想形に近づいていたりと楽しいサーキットイベントでございました。てか夏に向けてもっとライブ色々行きたく思います。

映画

 国立映画アーカイブ深作欣二特集に行ったりしました。『血染の代紋』『現代やくざ 人斬り与太』『人斬り与太 狂犬三兄弟』の3本は深作欣二サム・ペキンパー三部作として全人類が見るべき。旧作ではユスターシュ『ぼくの小さな恋人たち』(ママと娼婦は結局見れませんでした)とかフリードキン『恐怖の報酬』なんかが見て面白かった。新作では『エンドゲーム』が映画としてどうこうっていうよりこの10年の集大成としてわたしは素直にめちゃくちゃ感動してしまいました。あの時見たMCU作品はあれだったなあ的記憶と結びつく感じというか、連続ドラマ化する映画ならではの楽しみ方を最大限享受させていただきました。あとは『HOMECOMING』と『山下達郎 シアターライヴ』がそれぞれ形は全然違うけどポップ・ミュージックの素晴らしさを体現していて素晴らしかった。

その他

 がんばって本を読んでいます。相変わらずアメリカ人が書いた小説とかをちょこちょことやってます。あとはそろそろ夏の服を色々買いたいと思いますので、皆さんよろしくお願いいたします。ですます調とである調が入り乱れてててすいません……。